語ってみた

メロンパンは好き?とよく聞かれるのですが

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よく「メロンパンは好きではないのか?」という質問を受ける。
結論から言うと特段好きではない。あれはまったくメロンとは別物の「メロンパン」という1つの文化を形成した立派な商品だと思うからだ。

もちろん今となってはメロン果汁入りメロンパンなんてものだってあるけど、私の記憶では昔はそんなになかったはずだ。子供のころ育った場所が田舎だったからかもしれないが、いわゆる標準的なメロンパンしか見たことがなかった。なので私の中ではメロンとメロンパンは全然別物だと、幼少のころから既にそういった認識であったように思う。

そもそもメロンとパンというのが食品としてのタイプがまったく異なっており、パン生地にいくらメロン果汁を練り込んだとしてもそれは「メロン風味のパン」ということにしかならないと思っている。そのくらいパンの存在感が強い。

メロンパンをメロン寄りにするためには現在巷でメロンパンと呼ばれている程度の割合では足りず、パンの上にゴロゴロとメロンが乗っかっているレベルでないといけないと思う。でもそれはもうその時点でメロンパンとは呼んではいけないような気がする。メロンパンというのはあくまであの丸いパンということになっているのではないだろうか。

同じ理屈だとメロンソーダもメロンではなくあれはソーダだ。苦し紛れに果汁を数%ねじ込んでいるものもあるが、ほとんどは無果汁で緑の着色料がついた甘いソーダである。それなのに私はハンバーガーショップに行くと高確率でメロンソーダを注文し、本サイトの記事にまでしている。

モスバーガーのメロンソーダ

その違いはなんだろうかと考えた。

メロンソーダはいくら無果汁であったとしても飲み物であるので、目を閉じて鼻をつまんで一気に流し込んだら、もしかしたらメロンの果汁なのではないかと感じられる可能性がほんの少しだけある。いや、ほとんど可能性はないが、少なくともメロンパンよりはある。メロンパンはメロンパンでしかない。あれはパンだ。どんなに頑張って五感を捻じ曲げようとしてもパンでしかない。

とそんな感じで納得して頂けたかはわからないが、これが私の見解である。

ふと気づけば3年ほどメロンパンを口にしていないような気がしている。嫌いなわけではないのでたまたまであるが、こうしてメロンパンについて考えていると久しぶりに食べてみたいなあと思えてきた。